大切なものと偶然性

夢とか、こだわりとか、愛する人とか、多くの人は大切なものを持っている。無根拠な、理由なく固執してしまうもの。それがなくては生きる意味がなくなってしまうようなもの。 大切なものがなくては人は生きてはいけないとは思うが、その大切なものが必然的な…

「ほら、ぼーっとね、してると、あ、世界があるな、て思うじゃない」 世界あれ、とつぶやけばそこには世界がある。 つぶやいた本人は、世界ができてからその世界を作ったのは自分だと気がつく。 そこになんの矛盾もなく、存在とは無矛盾性のことだとする向き…

「世界の境界に立つことはできない。たとえば地面に円を描いてみる。その境界を跨いで立つことはもちろんできる。それと同じように、世界の内側と外側に同時に存在することが論理的には不可能でないように思うかもしれない。たとえば神をそのような存在とし…

ねえ私は良い子だったでしょう? たずねる君は愚かでかわいそうな子だったよ ころころ転がるその玉だあれ? でも本当に何もしたくなかったんだ ただ眠っていた それで何を待っていたの? 知らない、知らない、もうどこでもないんだ 一辺25メートルの立方体の…

僕が喫茶店を出るとそこに君がいて 「ねえ、そろそろ、世界が終わるんだよ」 という。 そうかそうか世界が終わるのかそいつはめでたいね、と僕が言うと君は「ばか!」と言い捨ててどこかへ行ってしまった。ばかと言われてもね、僕はばかなんですよごめんなさ…

君が僕をどう思っているかは君より僕の方がよくわかっているだろうし、僕が君のことをどう思っているかは君の方がよくわかっているだろう。 どこにもディスコミュニケーションなどなく、そしてそれこそが悲惨だ。

これまでに失ってきたものと手に入れてきたものをリストにして比べてみるなんて、本当にそんなことができるとでも?

「」君は言った。 「」君は言った。 「」君は言った。 言った、のだろう。 でも僕には何も聞こえなくて。 悲しくて。悲しくて。 君は少し困ったような微笑みを浮かべ。

「愚か者め! 愚か者め!」 「ごめんなさい、ごめんなさい。でも僕は悪くないんです。むしろあなたが悪かったんですよ!」 「そうかもしれない。なるほど、すると君は私が悪かったというわけかい」 「そういうことです!」 「仕方なかったんだ、仕方なかった…

「何事にもそれなりの理由はある」 そうかもしれない。 でもそれは世界の側の事情というより、「どうして?」という問いかけに恣意的でない終わりがないというだけのこと、ではある。

叫んだ君は 悲しい音と雪の流れる そのようにして、なにも終わり、なにか終わらず、見つめていた 宙に浮かんだキューブ くりかえし、くりかえし ぼうっと、ぼうっと くてっと、ぽてっと、とっぽけと

考えることなんてもうないんだよ、と喜ぶ君と手をとり合って。 涼しくなったねえ、とつぶやく。 この場所に来ていいことなんてあったのかどうか。 もしもあなたに聞かれたらなんて答えればいいのかな。 夕日が綺麗だとか、いいことだね。本当にいいことだと…

黄緑の桜が咲いたらきっと綺麗なのだろうか? 喉がからからと音を立てるとはいったいどんな事態だろう。 悲しみがちらちらと降ってくるのをただ眺めていたんだ。 どこにいるのかもわかるようなわからないような……どっちだろう。 この花は美しいのですか? そ…

なにか