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「」君は言った。
「」君は言った。
「」君は言った。
言った、のだろう。
でも僕には何も聞こえなくて。
悲しくて。悲しくて。
君は少し困ったような微笑みを浮かべ。
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「愚か者め! 愚か者め!」
「ごめんなさい、ごめんなさい。でも僕は悪くないんです。むしろあなたが悪かったんですよ!」
「そうかもしれない。なるほど、すると君は私が悪かったというわけかい」
「そういうことです!」
「仕方なかったんだ、仕方なかったんだ!」
「そういうものですよね」
「そういうものなんだ、だからと言って……」
「え?」
「いやいいさ、言っても仕方がないことだ」
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「何事にもそれなりの理由はある」
そうかもしれない。
でもそれは世界の側の事情というより、「どうして?」という問いかけに恣意的でない終わりがないというだけのこと、ではある。
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叫んだ君は
悲しい音と雪の流れる
そのようにして、なにも終わり、なにか終わらず、見つめていた
宙に浮かんだキューブ
くりかえし、くりかえし
ぼうっと、ぼうっと
くてっと、ぽてっと、とっぽけと
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考えることなんてもうないんだよ、と喜ぶ君と手をとり合って。
涼しくなったねえ、とつぶやく。
この場所に来ていいことなんてあったのかどうか。
もしもあなたに聞かれたらなんて答えればいいのかな。
夕日が綺麗だとか、いいことだね。本当にいいことだと思う。
夏が暑いってのもね、嬉しいよ。だって暑いんだよ。
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黄緑の桜が咲いたらきっと綺麗なのだろうか?
喉がからからと音を立てるとはいったいどんな事態だろう。
悲しみがちらちらと降ってくるのをただ眺めていたんだ。
どこにいるのかもわかるようなわからないような……どっちだろう。
この花は美しいのですか? そうでないのですか?
そうですか、あなたは気になりますか、でも気になるのはあなたなんですか?
がながな、がながな、と鳴く鳥たち。
それはきっと美しいことでしょうね。
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なにか